告知

2016年11月29日火曜日

福島県広野町 町会議員・阿部さんの訴えー福島県民には情報が伝えられない

新宿アルタ前広場 街頭宣伝 1127
福島県広野町からいわき市に原発事故避難しておられる
広野町町会議員の阿部憲一さんとの電話中継を中心に街宣しました。
参加の皆様、動画配信してくださった皆様、ありがとうございます。

ツイキャス chikapin様
http://twitcasting.tv/chikapin1/movie/326039921

ボランティアの大庭さんの記事(動画も)です。


アクション開会と電話中継の予告
https://www.youtube.com/watch?v=9VP4_i2bcgQ

(福島県)広野町町会議員の阿部憲一さんとの電話中継
https://www.youtube.com/watch?v=vtWuV0rxbt0


福島から避難された方々には1点の落ち度もありません
https://www.youtube.com/watch?v=2EZ3fBjKn98


福島高校の学生がマスクもせずに原発事故現場を見に行った
https://www.youtube.com/watch?v=pn_ZwOmbGvA

街頭宣伝予告(12/11)と子ども脱被ばく裁判(12/12)傍聴のお誘い
https://www.youtube.com/watch?v=5MqS8lYvo0s


 新宿アルタの大画面ディスプレイで競馬中継(ジャパンカップ:GⅠ?)が行なわれ、多数の観客が見入っていた。その間に街頭宣伝の準備を開始したが、レースの終了までは雨も気にならない程度であった。しかし、街頭宣伝が始まる頃から雨が本格化し、珍しく雨の中でのアクションとなった。

 今回の目玉は「広野町町会議員の阿部憲一さんとの電話中継」であったが、その他にNHKが放送した映像を紹介した。その中では除染基準を超える0.254マイクロ シーベルトの放射能汚染がある近くの山(信夫山)への幼稚園生の遠足を再開して欲しいと高校生に言わせており、更に、その高校生がマスクもせずに原発事故現場を見学に行った映像を見て頂いた。

広野町町会議員の阿部憲一さんとの電話中継は福島県の現状がよく理解できる内容であった。そのエッセンスを簡単に紹介する。
 阿部憲一さんは広野町に住んでおられたが、広野町は事故を起こした原発から20~30Kmにあり、事故後は緊急避難指示で点々と仮住まいをしながら、現在はいわき市で暮らしておられる。
福島県には2つの地方紙があるが、両新聞ともに放射能汚染と被ばくに関する情報はほぼ報道しない状況になっており、唯一報道するのは3ヶ月に1度発表される福島県、県民健康調査の甲状腺ガンに関してだけである。汚染水についても報道はせず、危険だと言う情報は県民に伝えない。それに輪をかけて報道しないのはNHK福島で、甲状腺ガンに関しても報道しない状況にある。
 こうした状況で個人的に勉強している人は本当に少なく、県民は情報が無く、周りで普通に暮らしている人がいるし、町にはわざわざ新たな高校を新設したりしているので、安全・安心と思ってしまっている。
これまで、学校給食では県外の物や北海道の米や山形の物を食べさせているが、地元の物を食べさせて郷土愛を育てようなどと地元産に変更しようとしている。その米もセシウムだけを計って安全だとしているが、セシウム汚染が1あればストロンチウム汚染は0.1位はあるはずである。ストロンチウムが体内に入ると2ケタ危険と言われているにもかかわらずそれを全く無視している。
 国道6号線の住民による清掃作業(みんなでやっぺ!きれいな6国)が10月15日に行なわれたが、国道の放射線量は路肩線量が非常に高く、車の通行でそれが舞い上が。これを吸引被ばくするのが怖いのに、こうした事には無頓着で空間線量が低いからいいだろうとして、高校生などの若者を参加させている。
広野町町長もこうした所で挨拶をして、一緒に歩いたりしている。町長は元東電の子会社の社員であり、子ども達をダシにして、安全・安心を広げようとしている。
 いわき市にある仮設住宅は来年3月に終了することになっており、広野町にある自宅に戻らざるを得ない状況になる。町議会議員は10名いるが阿部さん以外の議員はすでに広野町に戻っている。阿部さんは「広野町はまだ危険だ」と言うとともに、津波で家を失い戻るところがないこともあり広野町には戻らず、いわき市にとどまる方々の代表として活動している。
広野町には50個のモニタリングポストがあるが、この値がしばしば突然上昇する。こうした現象は福島県でしか起こっていないことであるが、これに対して原子力規制庁はいたる所にセシウムが固まっている所があり、それが風によって舞い上がることが原因だろうと言う。こうした状況ですから何処で物凄い被ばくをするか分からない。こうした認識が住民にはなく、「風評被害」が王様のように一人歩きし、これには誰も抵抗できない状況になっている。
 などをお話し下さった。

次回の街宣は新宿アルタ前にて12月11日(日)午後4時から5時
12月12日(月)は福島地裁にて子ども脱被ばく裁判第8回口頭弁論
12月16日(金)は官邸前抗議行動 5時から6時の予定です。

ぜひ、ご参加ください。



2016年11月22日火曜日

福島で1週間にわたり、自主避難者の住宅無償提供継続を求める連続行動及び集会とデモ ぜひご参加ください!!

皆様
福島現地において、1週間に渡り、住宅無償提供継続を求める連続行動・集会とデモが行われます!!


原発事故被害者団体連絡会・原発被害者訴訟原告団全国連絡会・避難住宅問題連絡会・「避難の権利」を求める全国避難者の会の4団体主催で「自主避難者の住宅無償提供継続を求める 原発事故被害者を切り捨てるな!の連続行動です。
11月28日(月)〜12月2日(金)朝8時から夕方5時まで県庁前アピール及び直訴行動を行います。
また、12月4日(日)には13時から福島県教育会館にて集会およびデモが行われます。
ぜひ、皆様、ご参加ください!!

以下主催者よりのお願い
画像に含まれている可能性があるもの:1人以上
【緊急拡散お願い!】
日本政府と福島県による、自主避難者の住宅無償提供打ち切りは、すでに社会的、経済的にダメージを受けている避難者を切り捨て、救済をせず無権利状態に陥れることになり、人道上も許せることではありません。また、このことは原発事故被害者全体の今後に大きな悪影響を及ぼすことになり、認めることはできません。
私たちは12月6日からの福島県議会に、自主避難者の住宅無償提供の継続を求め、請願書を提出します。
これに向けて、議員への働きかけ、また、11月28日(月)から12月2日(金)までの1週間、県庁前アピールと内堀県知事に直訴する連続行動を行い、12月4日(日)は4団体共同の全国集会とデモを開催します。和製パンク「切腹ピストルズ」も全国から集結して一緒に福島の街を練り歩きます。参加する方の鳴り物、踊りの飛び入り大歓迎!
原発事故被害者の切り捨てを許さないために、是非、ご参集ください!
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引用以上

脱被ばく実現ネットは住宅無償提供打ち切りに関するチラシを配布しています。
下の画像をクリックするとPDFファイルが開きます。
また、配布ご協力いただける方はご連絡下さい。

チラシから
郡山市から川崎市へ母子避難しているMさんは訴える!
国は私たちを難民にさせるつもりなのでしょうか?
 私は、福島第一原発事故による放射能被ばくの健康被害を心配し、当時12歳の娘を連れて自主避難をしました。
 何故、私たちは自ら避難をしなければいけなかったのでしょうか?
 それは初めから判っていた情報を国が隠蔽し、しなくても良い被ばくを強いられたからです。私の土地は汚染されました。その為、娘の鼻血問題、腹痛、下痢、目まぐるしく変化したため避難をしたのです。危険を感じたら逃げるのは当たり前です。
 私の自宅の敷地内には除染した汚染物がそのまま置き去りです。
 そのまま、除染物と一緒に30年、そこに住めというのでしょうか? 誰か答えてください。
 まだ緊急事態宣言は発令されたまま解除はされていないはずです。

 それぞれに避難をした親、子供たちは、今やっと落ち着き始め、その場所で生活を送っているのです。
 それなのに私たち避難者の唯一の命綱である、住宅支援を打ち切ろうとしています。

 国は私たちを難民にさせるつもりなのでしょうか?



 20161103チラシ裏面

 20161103チラシ表面


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10.22新宿デモ 被ばくはイヤよ! 住宅支援打ち切りやめて! 命の叫び! 沢山の人がチラシを受け取...

福島大学 崎山先生講演会 核災害はひとたび起きると生業を根こそぎ奪ってしまう。しかもその持続時間は人の寿命をはるかに超える。

2016年11月19日(土)、福島大学において、福島大学放射線副読本研究会、脱被ばく実現ネット共催で崎山比早子氏「低線量被ばくによる健康被害」の講演と県内で活動している方達との「原発事故の教訓を伝える施設の展示内容のあり方に関するシンポジウム」が行われました。

関東から参加した当ネットのボランティアは同講演の前に福島駅にてチラシの配布を行いました。
あいにくの雨模様でしたが、福島駅では殆どの皆さんがチラシを受け取ってくださり、お話していく方もおられました。




その後、迎えに来てくださった福島在住のボランティアの車で福島大学に向かいました。途中には「除染中」と書いた立て看板などが見られました。

福島大学は山というか広大な丘の上 でした。


 この写真の左奥が会場のL1教室です。写真の右側で映っていませんが、モニタリングポストがありました。0.176μシーベルト/hありました。原発事故前の3倍以上です。
 時間がなく写真に撮れませんでしたので、終わってから行ったところ、ソーラー発電のためか掲示板は点いていませんでした。(下の写真)


福島大学には2013年7月に環境放射能研究所が出来ました。下の写真は環境放射能研究所分析棟です。
今年8月3日、福島大学環境放射能研究所(IER)と国際原子力機関(IAEA)は環境分野における研究協力に関する協定書を締結しました。
1996年4月のIAEAの会議(ウィーン)「チェルノブイリ事故から10年」で
「再び事故が起こるのは避けられない」として、そのとき取るべき方策は
「次回の原発事故にあたっては、人々を避難させず、情報をきちんと統制すること」としたIAEAとの協定を結んだとのことで今後を注目すべきかと思います



講演会は
共催の福島大学放射線副読本研究会の後藤准教授と学生さんが会場資料及び準備等殆どしてくださいました。感謝申し上げます。

午後2時から、崎山先生の講演会が始まりました。雨の中にも拘らず、福島市のみならず、郡山市や須賀川市、伊達市、いわき市、二本松市、白河市、山形市、仙台市、東京など遠くからも約60名の方がご参加下さいました。

崎山先生は低線量被ばくの危険性について本当にわかりやすく説明くださり、また、科学者といわれる人がいかにデタラメなことを臆面も無く言っていることに大変な憤りをもってお話されました。
質疑応答ではご夫婦で甲状腺がんと甲状腺疾病を発症された参加者が発言され、福島の健康被害の厳しさと放射能被害について相談できる医師がいないという現実を目の当たりにしました。

第一部講演会動画は
https://www.youtube.com/watch?v=YwLudTx08ps









 第二部シンポジウム動画は
https://www.youtube.com/watch?v=KM9urpQfC1Y




 シンポジウムではまず福島現地で活動されている
佐々木慶子さん(フクシマ・アクション・プロジェクト共同代表)
飛田晋秀さん(写真家)
あいはらひろこさん(医療ジャーナリスト)
が活動の紹介をされました。

佐々木さんは
行政主導で進められている原発関連の記録施設が復興に重きを置いていて
被害者の生活や苦悩の実態や事故の厳しい現実を提示せず、あれほどあるフレコンパックも展示されていないという中で、もっと実態を提示するようにと要望していること、

飛田さんは
日本各地で福島の真実の写真展示を行い、講演を行って福島のことを多くの人に知ってもらう活動をしていること、そこに参加した小学校6年生の原発避難している子どもの手記などを紹介しました。

あいはらさんは
事故後、いろいろなところでもらうチラシなどを集めていること、
「ダマシタ」「いばらきみん」など、公の文書には載らないけれど皆が知っているローカルな言葉などの保存
特に原発事故という加害者が明確で被害者が明確なものなのに
風評被害としてそれが原発事故被害を言わせない圧力となっていることについて
行政が実害を金額としてきちんと調べるべきである。
などのお話をされました。

講演会後は学生会館2階にて懇親会を開き、福島の皆さんと交流を深めました。
後藤先生の「これをきっかけに、今後も交流をつないで行きましょう。」という言葉通りに繋がっていければと思いました。


(山田記)



2016年11月18日金曜日

山本太郎議員 原発避難者をなぜ無理矢理追い出すのか!? 関東には9327件の公務員宿舎の空室がある。国が動けば解決できるんじゃないですか?

11月18日、参議院東日本大震災復興特別委員会にて、山本太郎議員が
放射能管理区域以上の汚染のある地域に帰還させようとしている件の追求と
来年3月で打ち切ろうとされている原発事故避難者への住宅補助打ち切りと
東京都の脅しも含んだ追い出し政策がいかに避難者を追いつめているかを
発言しました。
「チャイムが鳴るのが怖くて布団をかぶっている」
「ドアを閉めようとすると足を挟んで閉めさせない」などの酷い状況を
明らかにしました。


いつ帰るのかを選択する権利は被害者にあるはず。

原発事故を起こしたのは誰か? 東電だ、後押ししたのは誰か? 国だ。
加害者の都合のいいように一方的に線引きする。
国の姿ではない、ギャングの姿だ。
原発爆発してからずっとこんな状況に追い込まれて
どこまで被害者の心をずたずたにしたら気が済むのか!

この状況止める気ないんですか! 国は!
なぜ、無理矢理追い出すのか!

1都6県の公務員宿舎は現在9327件の空室がある。
国が動けば解決できるんじゃないですか?


当事者の声を聞いてほしい。

など当事者の声を読み上げる時には胸が詰まってしまうほど
でした。

ぜひ、ごらんください。

山本太郎議員の発言YOU TUBEは
2016.11.18 東日本大震災復興特別委員会
https://www.youtube.com/watch?v=Zvp5MGjHVYA


参議院東日本大震災復興特別委員会の視聴方法は
↓以下のアドレスから




左側会議名からの検索の下の方にある東日本大震災復興特別委員会 をクリック

11月18日の委員会をクリック
山本太郎議員をクリック

11月19日(土) 福島大学 崎山比早子氏による講演会とシンポジウムの開催

 11月19日(土)福島大学において崎山比早子氏による講演会を開催します。

第一部:講演「低線量被ばくによる健康被害」
    崎山比早子さん 
      元放射線医学総合研究所主任研究官、医学博士、高木学校
      東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調) 委員
      3.11甲状腺がん子ども基金 代表理事

第二部:原発事故の教訓を伝える施設の展示内容のあり方に関するシンポジウム
 登壇者:崎山比早子さん
   佐々木慶子さん(フクシマ・アクション・プロジェクト共同代表) 
   飛田晋秀さん(写真家)
   あいはらひろこさん(医療ジャーナリスト)
   後藤忍さん(福島大学准教授/福島大学放射線副読本研究会)

日時:11月19日(土曜日) 13時30分開場、14時~16時30分
場所:福島大学  L1教室
入場:無料
共催:福島大学放射線副読本研究会、脱被ばく実現ネット


福島第一原発事故から5年半が経ちましたが、政府の原子力緊急事態宣言は、未だに解除されず、福島第一原発は、現在も事故収束の見通しが立たず、毎日大量の放射性物質を大気中に放出しており、汚染水も海洋に流出し続けています。
 私たちは被ばくの危険の中での生活を強いられ、福島県の検査(事故当時18歳以下対象)により明らかになった甲状腺がん及び疑いはすでに174名となりました。また、様々な疾患が増えているとも言われています。しかし、政府をはじめとして私たちの健康に責任を持つべき機関もマスコミも殆どが被ばくに対する危険性を伝えていません。
 福島でこそ沢山の情報が必要ですが、実際には正しい情報は知らされず、「安全神話」が行き渡り、福島は安全と思い込まされています。
 しかし、反面今年になってからも保養相談会が大盛況であるように健康被害に対する不安を増している人も多くなっています。

 今回の講演会では崎山比早子さんに低線量被ばくについて、被ばくによるDNA損傷がなぜ修復しにくいのかなどわかり易く解説していただきます。

福島近隣の皆様、ぜひ、ご参加ください。
また、福島に知人のおられる皆様、ぜひお知らせ願います。

2016年11月16日水曜日

原発事故後に病気は日本中で増加している 20161113新宿アルタ前街宣

11月13日、新宿アルタ前街宣にご参加の皆様、ありがとうございました。

沢山の方が応援にかけつけてお話して下さいました。

下の表は10月30日に行われたカナダ在住の落合栄一郎さんの講演会にて配布された
資料の一部で、福島県立医科大学附属病院の病気が激増していることが明白に
なっているものです。
街宣にてこのような健康被害の実態も話されました。






動画撮影配信は大庭さんです。


最近の状況報告
https://www.youtube.com/watch?v=BwzbVeLxi60

人間だけが放射能の影響がないとされて、帰還を強要される状況です
https://www.youtube.com/watch?v=_EaE5DmZ1VM

福島では20ミリシーベルト安全神話の元、帰還を強要されている
https://www.youtube.com/watch?v=FG5CQMnh_yg

原発は必ず事故を起こす皆の問題です、自分の事と考えてください
https://www.youtube.com/watch?v=HqwOwyCO1_U

原発は役目を終え、不正義なものとなっていると言う人がいます
https://www.youtube.com/watch?v=DG1TdYtpofQ

福島原発事故は何年も続く被害であり、災害救助法の適用で済むものではありません
https://www.youtube.com/watch?v=TqxRL8GjeA8

(落合栄一郎氏講演会報告) 原発事故後に病気は日本中で増加している
https://www.youtube.com/watch?v=aIf2CzYanCs

重大事故を起こした原発の傍を避難者が通れば皮膚が溶けるような被ばくを受けることになる
https://www.youtube.com/watch?v=b3Dz_lVqj2I

崎山比早子さん講演会「低線量被ばくによる健康被害」の告知
https://www.youtube.com/watch?v=Kq3HREVEEQo

被ばくを容認する職業の方の限度被ばく(20mSv)を妊婦や子どもにも強要している
https://www.youtube.com/watch?v=OyspMePWO-k



新宿アルタ前街宣での皆さんの訴えを聞いて感想を書いてくれたのは渡辺さんです。

以下渡辺さん。

被ばくか貧困かの二者択一を迫ることは生存権放棄、基本的人権放棄を強要する憲法違反だ!
 国会でTPP審議が行われています。この条約の恐ろしさは経済格差増長のみならず、「健康被害を軽視」するグローバル企業と投資家たちの強欲資本主義が、憲法を超えて支配拡大してくるところにあります。
 山本太郎参議院議員は、TPP国会質疑で、ISDS条項の付帯文の内容が、環境汚染等を引き起こした企業が、責任逃れ、賠償支払い放棄できるようになっていると鋭く追及しています。
 今回の街宣で、飛び入り参加下さった方々のスピーチでは、経済成長のためなら、「命も健康も投げ出せ」と強要してくる現状に対し、「他人事と言え人間は一人もいない。私達全員の問題だ。このままでは生存権も基本的人権も放棄されてしまう」という切迫した思いが伝わってきました。 
 原発事故の緊急事態宣言は解除されていません。今も大気には「毎時53万ベクレル」
放射能が排出され、5兆円、6兆円の投入が見込まれる除染作業も一向に成果が上がら
、軟弱なフレコンパック(既に破損アリ)に詰められた除染ゴミは、民家や学校の
敷地に置かれたままです。
 この状況では世界基準の放射線許容量(1ミリSV/年)を下回るのは困難であり、
これが守れないのであれば、チェルノブイリ同様、人々を汚染のない土地に移住させる
政策をとるのが本来であるところを、国、県は経済活動を優先し、汚染地に妊婦も子ども
封じ込め、世界基準の20倍である、(20ミリSV/年)を強いる暴挙を行いました。
「20ミリSVの被ばくを求めることは、学問上の見地からのみならず、受け入れること
は出来ません。基準値引き上げを強行する政府の一員として参加したら私は学者として終わりです」と国会で号泣し、辞任会見した東京大学原子力国際専攻、小佐古教授の言葉を今一度、思い出してみるべきです。
 「放射能汚染地に居住することを拒否する権利」を認めない政府は、メデイアを使って
安全キャンペーンを行い、避難区域(経済優先・勝手に線引き区域)から外されてしまった区域外避難者(自主避難、自己責任のレッテルを貼られてしまった)を存在させまいと兵糧攻めに入りました。
 来年2017年3月に、避難者の命綱である住宅賠償を打ち切り、放射能汚染地に強制
帰還させる算段です。五輪を控えた「美しい日本」に原発避難民の存在は厄介者だと言わんばかりの冷酷な決定です。
 
 未曾有の原発事故の被害者さえ、冷酷に打ち棄てるこの国の現状がこのまま罷り通って
してまうのであれば、「悪しき前例」として、この先も起こるであろう環境汚染、食品汚染などの被害者も切り捨てにされてしまう可能性が大いにあるこということです。
 福島の方々に思いを馳せる、福島の方々に寄り添うことは、巡り巡って将来の私達自身を救済する道なのだと思います。他人事だと言える人間は一人もいないのです。
 福島のスーパーが、お客様の要望で西日本産の食材を大量に仕入れているようです。
 もちろん福島県内だけではなく、原発事故やTPPなどがきっかけで食の安全性が人々の間で、意識されるようになり、消費活動が変化してきています。
  放射能汚染、遺伝子組み換え、成長ホルモン、化学物質漬けではない食材で「食生活」を維持するのは、家計にとって大きな負担となっています。
  しかし、安全な食材を求める流れが止まることはないでしょう。メデイアが必死でキャンペーンをしても、「安全な食材を選ぶ」ことが健康維持に不可欠であると皆が気づき始めています。
  今回のアメリカ大統領選挙で、「メデイアの信用が暴落」していることが露わになり話題になりました。
 日本のメデイアも原子力ムラに不利になる報道を規制し、真実を伝えていません。
 どうぞ皆さん、ぜひ動画をご覧下さい。大手メデイアが伝えようとしない「生きた声」をお聞き下さい。


2016年11月10日木曜日

原発労働では1日1.5ミリシーベルト被ばくさせると事情聴取された。1日2ミリシーベルト以上被ばくさせたら逮捕。今の福島は子どもにまで年間20ミリシーベルトを強要。

 10月18日に神楽坂のセッションハウスにて、作家の渡辺一枝さんのトークの会「福島の声を聞こう!vol.21」で子ども脱被ばく裁判の原告であり、脱被ばく実現ネットの仲間でもある今野寿美雄さんがお話をしました。
 今野さんは元原発労働者であり、浪江町からの避難者です。
 渡辺一枝さんが丹念に書き起こししてくださり、一枝通信で3回にわたって報告してくださったものを許可を得てブログにアップさせていただきます。渡辺さんは10.22デモにも参加してくださいました。ありがとうございます。

 原発で29年間働き、311の時は女川原発で地震と津波に合った今野さんは私たちの街頭宣伝やデモなどで短い時間お話していただいていますが、避難時のことや原発労働のことなどたっぷりとお話された貴重な内容の書き起こしです。ぜひご覧下さい。
以下 一枝通信より−



18日()に、トークの会「福島の声を聞こう!vol.21」を催しました。
ゲストスピーカーは、浪江町の今野寿美雄さんでした。
今野さんは電気計装設備や機器の建設・メンテナンスの技術者として原子力発電所及び火力発電所での仕事をしてきた人です。
原子力関連では、東電福島第一・第二、東北電女川、原電東海第一・第二、JAEAもんじゅ、動燃東海・大洗、原研東海・大洗、原燃六ヶ所他に関わってきました。
29年間、原発・火発のエネルギー関係の仕事に携わってきた今野さんのお話からは、事故を起こした原発の今と、事故による影響がリアルに伝わってきて、多くの人にこれらの事実を知って欲しいと思うことばかりでした。
当日今野さんは「です。ます」調で話されましたが、以下に「だ。である」調でお話の概略を記します。
長いので3回に分けてお送りします。(注:当ブログは3回まとめて載せました)

① 
●原発作業員の被ばく量は管理されている
仕事の内容は自動制御計測専任で、オートメーション化されている制御をコントロールする機械やそれらを計測する機械の定期点検、修理・メンテナンスを主にやってきた。
電気関係がメインだったが、その他に派遣社員という形で日立製作所や IHI の指導員や監督として、作業員を使っての特殊な作業の指導をしてきた。
全面マスクを被って、原子炉の下に潜ってするような仕事もしてきた。
今までで一番被ばくをしたのは、その仕事に関わっていた時だ。
新しい原発は汚染が少なくきれいなので被ばく量は少ないが、フクイチは古くて汚染がひどい。
放射能が漏れていて放射化しているので、被ばくする量が多い。
フクイチの1~6号機まで全てに入ってメンテナンス点検をし、その時に最大で年間12 ミリシーベルトの被ばくをした。
それが29年間働いた中で一番多い被ばく量で、たった1ヶ月でそれだけの量になった。
1ミリシーベルトの場所で作業して0,8ミリシーベルト浴びると、そこで作業を終えて上がるのだが、2週間足らずの間に毎日連続で入るとそんな被ばく量になる。
他の作業員よりは被ばくしないように管理されていたが、監督として現場確認をしなければならないので中に入り、その時に年間被ばく量12ミリシーベルトになった。
国が言う年間20ミリシーベルトは国の基準であって、発電所の基準は年間15ミリシーベルトだ。
20ミリシーベルトをオーバーするといけないので、各メーカーや事業者(東電など電力会社)などは、年間15ミリシーベルトで管理されている。
そうした中での12ミリシーベルトだった。
年間20ミリシーベルトというと5年で100ミリシーベルトになるが、1年間最大50ミリシーベルトかつ5年間で100ミリシーベルトを超えないというのが法律上の制限値だ。
そして1日1ミリシーベルトを超えないことにされているが、労働基準局に届け出て特別協定を結ぶと、1日最大2ミリシーベルトまで許される。
ただし2ミリシーベルトと言っても、ちょっとしたことでオーバーしてしまうことがある。
高線量の場所なので、作業場から上がるのがほんの1、2秒で遅れただけでも2ミリシーベルトを超えてしまう可能性があるので、2ミリシーベルトの場合はアラームメーターは1.5ミリシーベルトでセットする。
東海村での仕事中に、1ミリシーベルト超え、1.5ミリシーベルト超えが発生してしまったことがある。
原子炉の下にはCRDといって燃料の制御棒を駆動する装置があるが、そのメンテナンスの監督として仕事にかかっていた。
作業員が中に入って制御棒を下に引き抜いた時に、損傷燃料が装置についていた。
損傷燃料は50シーベルトもあるので、一瞬にしてアラームが鳴り出し、作業員は一斉にそこから飛び出した。
原子炉は直径5メートルくらいの広さで、2~3mの分厚い壁があるが、その通路を伝わって逃げたが間に合わず、1.5ミリシーベルトをオーバーしてしまった。
すぐに労働基準監督署が来て、事情聴取されたが、2ミリを超えていなかったので事後報告提出ということでその作業は許されることになり、逮捕されることもなく済んだ。
常にそうやって労働基準監督署や、放射線障害防止法や電離則(電離放射線障害防止規則)など法律や法令など厳格な基準で原子力発電所の作業員は管理されている。

●作業員以上の被ばくを強要される福島県民
ところが現在福島では、なんの管理もされずに年間20ミリシーベルトなどの基準が小さい子どもにまでも強要されている。
それが今の大きな問題だ。
だいたい1ミリシーベルトというのも追加被ばく線量であり、宇宙や大地、食物など自然界から2.4ミリシーベルトを日本人は浴びていると言われるが、自然界にないものからはそれ以上に1ミリシーベルで抑えようということなのだ。
1ミリシーベルトという値にも根拠があり、人間が100歳まで生きるとすれば累積して100ミリシーベルトまでは大丈夫だろうということから、100100で割って長生きする人で年間に1ミリシーベルトという基準で決まったのがその数値だ。
だから1ミリシーベルトが安全だと、ハッキリ言える基準ではない。
ICRP(国際放射線防護委員会)では、できる限り被ばくは低くするように勧告している。
それを、事故が起きたからといって基準を20ミリシーベルトにまで持っていく、しかも事故当時のことだけではなく現在も、福島県民にはその数値を強要している。
他の都道府県では、1ミリシーベルトだが、福島では20なのだ。
だから南相馬では「20ミリシーベルト基準撤回訴訟」が起きている。
なぜ20ミリシーベルトが許されているかといえば、「原子力緊急事態法」があり、それが出されたままであるからだ。
事実上事故は今も収束していず、今現在も放射線は漏れて汚染水は溢れている。
海にも大気にも、放射能は漏れだしている。
緊急事態法の範囲は当たり前の数値だが、それを逆手にとって福島は20ミリシーベルトだとしているのだ。
原発で働いている人以上の被ばくを子どもたちにさえ強要する、とんでもない話だ。

●甲状腺ガンが増えている
県内の子ども38万人に対して174人の子どもが、甲状腺ガン及び疑いと発表された。
100万人に一人とされていた病気が、原発事故6年目でこの数だ。
一昨年から始まった県民健康調査発表では、(注:自分のFacebookの)スタート時には112人くらいだったが、1年で50人、60人も増えた。
昨年2月に最初の発表があったが、1ヶ月に4、5人くらいのペースで増え続けている。
一巡目でA判定だったのが二巡目でC判定になって手術した人が多数いた。
今後どう増えていくか判らないが、チェルノブイリの例から見ても30年は増え続けるだろう。チェルノブイリでは、今もまだ新たな発症が出ていて、当時子どもだった人が結婚して生まれた子どもがまた、体調が悪くなっている。
そういう世代にまで、影響が出ているのだから、長い目で見ていかないといけないだろう。
これまで甲状腺ガンの症例があまりにも少なく、データがないことから「チェルノブイリとは違う。だから福島の健康調査の結果は、原発事故由来ではない」などと、御用学者や政府は訳のわからない屁理屈で否定している。

●「6国清掃活動」
県や健康調査委員会は、事故が起きた当時から真逆の政策をしてきているが、ここにきてまた問題が起きている。
「6国清掃活動」といって、イチエフから20Kmの広野町の国道6号線の清掃活動をするイベントで、中高生たちも参加した。
そのイベントは事故前には、ただ道路のゴミ拾いをするイベントだったが、事故後は中止されていたのだが、6号線が開通した翌年の2015年にハッピーロードという団体が主催して、一気に活動が再開された。
「みんなでやっぺ!きれいな6国」の標語のもとに、故郷をきれいにしたいという子どもたちの気持ちを利用して、周辺の道路は高線量のところがあって被ばくの危険性があるのにそこでゴミ拾いをさせる。
道路のアスファルト部分は高圧洗浄機で洗ったりしていても、通行する車のタイヤから撒き散らされる放射性の粉塵を浴びて路肩の草むらなど除染されていないので線量が高いままだ。
こうした活動に抗議の声を上げると、「復興の妨げをする」などとお門違いの声が出たりする。

●新たな安全神話
警戒区域内でわざわざ田んぼを作って、収穫した米は100ベクレル以下だから安全だと言って、汚染されていない田んぼの米と混ぜて、汚染を薄めているような状況もある。
そんな風に、やってはいけないことをやっている。
そんな場所でわざわざ米を作らなくてもいいのに、莫大な税金を投入して田んぼを除染して土を入れ替えたりして汚染地域で米や野菜を作っている。
結局そこからの作物は汚染が検出されるが、それでも100ベクレル以下だから安全だと言い流通させる。
子どもの清掃活動も同じだが、こうして新たな「安全神話」が作られている。
非人道的な許しがたいことだが、それを復興だと言い、イベントをすれば、あるいは建物を造れば復興したと言い募る。
そして事故は終わった、もう大丈夫だと喧伝する。

●ふざけるな!
実際には全然大丈夫ではなく、体の具合が悪い人はどんどん増えている。
甲状腺ガンは子どもだけの問題ではない。
還暦過ぎた大人でも、なっている。
友人は兵庫県に避難しているが、甲状腺ガンの手術をした。
彼女に会ったら首にスカーフを巻いていて、「年取ってシワになって手術跡が目立たなくなるまで、スカーフを巻いている」と言った。
甲状腺ガンは男性でも発症して、知り合いの男性も手術をした。
こうした状況を原発のせいではないと言い、これまでも、今後も健康被害の出ることはないと、安倍晋三は先日参議院の質疑応答で答えた。
傍聴席に居てそれを聞いた時、思わずサンダルを脱いで投げつけたくなった。
それ以上そこに居たら絶対にやらかしてしまうと思ったので午後の傍聴は止めて帰ったが、腹が立ち頭にきてどうしようもなかった。
共産党の市田さんの質問に対して「原発はコントロールされています。汚染水はイチエフの港湾内で完全にブロックされてコントロール下にあります」などと吐かした。
ふざけるな!と思ったが、その時に自民党席からもどよめきが起きた。
誰が聞いても、自民党の議員たちでさえおかしいと思うことを、シラ~ッと言うのを聞いて腸が煮え繰り返るようだった。
「福島県民に寄り添っています」などと訳のわからないことを言い、「大丈夫です。オリンピックをやります」だから、とんでもない話だ。

●弁当持参でいじめを受ける
IOCでは、オリンピック村では福島産の食材を使うなと言っているくらいなのに、日本ではどんどん食べるよう仕向けている。
県庁の職員食堂では、使用食材の産地が表示されている。
事故後には福島県産は一切なかったのだが最近は少しずつ増やしていて、米は福島産だが県庁食堂で使用しているものは0ベクレルと表示されている。
学校給食で使用する米は、100ベクレル以下で安全な米だという。
県庁食堂で大人たちは0ベクレルの米を食べ、子どもたちには100ベクレル以下だから安全だという。
給食を食べさせずにお弁当を持たせるという選択肢もあるが、それでいじめられた子どもがいる。
先週の「子ども脱被ばく裁判」では、泣き泣きそのことを訴えた母親がいた。
これが今の福島の現実だ。
被ばくを避けることが悪いことのように思われ、被害にあった人が悪者扱いされる。
加害者が堂々とお天道さまの下を歩き、被害者はひっそりと生きている。
悲しい現実だ。

●ふるさとを隠して生きる
故郷の浪江町津島地区の住民は今、「津島訴訟」を起こしている。
彼らは避難して他地区で暮らしているが、自分の故郷の名前を口に出せない。
津島から来たと言えない。
そこの子どもと結婚するなとか、放射能は移るとか言われるから、自分たちの素性を隠して新たな場所に住居を求めて生活している。
知人は10人家族だが、避難当時は10人が6ヶ所にバラバラに分かれて暮らした。
2人の高校生はそれぞれ学校の近くに下宿し、ジジ・ババは別の所、夫は単身赴任、知人と下の娘はアパートを借り、もう一人の子どもはまた別の所とみんなバラバラになった。
今ようやく中古の住居を買って家族が一緒に暮らせるようになったが、近所には津島から来たとは言えずにいる。

何もかも奪われ、それだけではなく故郷を負い目に生きなければならないのだ。

●今野さんの場合
3月11日は女川原発に居て、地震に遭い、津波も見た。
15日まで女川を脱出できず、その間は救援活動をしていた。
津波で道路も流され、帰宅も避難も、できる訳がなかった。
あのような半島にある所は、伊方原発の立地地区もそうだが、避難計画など絵に描いた餅だ。
自然災害の前には、太刀打ちできない。
5日目の15日になって、やっと仮の道路ができて女川から脱出できた。
それまでは携帯も繋がらず家族とも一切連絡が取れなかったが、石巻まで出てやっと電話が繋がった。
家族は茨城の古河市に避難していることを知って、追いかけた。
会社の車で郡山駅まで行き、そこでみんなと別れて郡山からタクシーで那須塩原まで行き、そこから新幹線で古河に着いた。
朝7時に女川を出て、古河に着いたのは夜の8時だった。
高速道路も使えないし新幹線も那須塩原までしか通じていなかったし、その時の格好といえば作業服のままで髭茫々、復員兵みたいな姿だった。
それから2週間、古河の親戚宅に居たが、気を使ってとても居辛かった。
きょうだいの家であっても、相手には生活があるのにそこにいては迷惑で、気を使ってしまう。
浪江の役場が二本松に避難したということで、古河から5時間かけて4日間、毎日役場まで往復し安否確認や避難所の空き状況を調べた。
古河にいては、そうした状況は何も知ることができなかったからだが、空いている避難所もすぐには見つからなかった。
当時幼稚園児だった子どもと妻、妻の母親の3人は避難所には連れていけないと思い、妻の叔母の家に預け、男たちは避難所に移った。
3日目か4日目に浪江に自分の車を取りに行き、高圧洗浄機で洗車したが、フロントガラスのワイパーの下に汚染が溜まってしまって、しばらく汚染は落ちなかった。
夜10時までは避難所は電気が点いていて明るい中でテレビを見たりしているが、10時になると消灯で皆寝るので、避難所ではとても寝られずに自分の車に戻った。
自宅から持ち出したアルコールを飲んで寝たが、そんな風にして車で2週間、被爆しながら過ごしたが、寒い毎日だった。
その時は毎朝、スギ花粉で車が真っ黄色になったのだが、くしゃみが出るようになって花粉症を体感した。
ところが半年後から鼻血が出るようになり、ただのスギ花粉ではなかったことが判った。
1ヶ月に2回くらい、突然洗面台が真っ赤になったり、タオルが真っ赤になったのだが、その時期のスギ花粉はセシウムをたっぷり吸っているわけだから、セシウムを吸い込んでいたわけだ。
最初に鼻血が出た時は血圧が上がっているのかと思ったのだが、二度、三度と出てそれに気がついた。
『美味しんぼ』で、井戸川さんの鼻血問題がパッシングされたが、間違いなく鼻血はそれしか原因が考えられない。

●嚢胞の出た子どもたち
またその頃は子供が1ヶ月に2回も風邪を引くようになり、治ったかと思うとまた病院通いで、子どもは花粉は吸っていなかったが、型の違うウィルスに次々とかかって、それが2年ほど続いた。
子どもは3月15日まで津島に居て、その時に外で遊び降った雪を食べたりもしていた。
いま我が子には嚢胞が出ていないので安心しているが、子どもの同級生たちには嚢胞がある子が大勢いて、母親たちが心配している。
嚢胞があるその子どもたちは、福島市や郡山など中通りの子どもたちだ。
浜通りの双葉郡の子どもたちはその時に東京や他の場所へ逃げた子どもが多いのでまだ被害が少ないが、情報が隠され、避難指示も出ずにそこに留め置かれたのが、中通りの子どもたちで、ガンの子どもやガンを切った子どもたちが大勢いる。
我が家では一ヶ月古河に居た後で会津へ行ったが、会津は比較的汚染が少なく線量も低いのが良かった。
9月に飯坂温泉の借り上げ住宅に入居し昨年9月までそこに居て、10月から復興公営住宅として建てられた県営住宅に移った。
その飯坂温泉復興住宅の一周年記念のイベントが、先週日曜日にあったばかりだ。
そこは敷地も、また隣接する公園も全て除染してきれいになったところで、環境も良い所だ。
飯坂温泉は福島の端で、もともと比較的線量の低い地域だが、今住んでいるのはそういう条件の良い所だ。

●70cm掘ってやっと事故前の値に
それ以前の借り上げ住宅として住んでいたホテル聚楽の社宅の隣は飯坂小学校で、そこでは
事故の半年後くらいに、校庭の土をどれくらい掘れば汚染がなくなるかの実証実験をした。
cm、10cm、15cm、30cm、50cm、70cmと掘り、70cmでやっと事故前の値になった。
掘り返したその土を運ぶ場所がなかったので、校庭に6mの穴を掘って、シートに包んだ土をそこに埋め新しい砂を持ってきて敷き、グランドにした。
どこかの御用学者は「3cmか5cm土を剥げば汚染はなくなる。田んぼは反転耕作で畝えば下に沈んでなくなる」と言ったが、とんでもない、半年後で70cmだ。
グランドは砂地なので雨とともにどんどん染み込んでいく。
早ければ早いほど表面近くにある時に剥げばいいが、半年後で70cmだから5年経った今は相当深く染み込んでいる。
何十年かして地下水脈に達すれば、井戸水に出る。
今はまだそこまでは至っていないが、そういうリスクがこれからの未来にあると思う。
セシウムでもコバルトでも、ヨウ素でも、放射線を出さないとしても重金属だから、それを体に取り込むのはとても良くないことだ。
重金属中毒を起こすので放射能だけの問題ではない。
重金属が生物に濃縮され陸上ではイノシシ、クマ、海ならカツオやマグロ、海底にいる魚に溜まる。
子どもの頃の話をすれば、春は山菜、秋にはキノコ、冬はイノシシ料理だったが、そんなものは一切食べられない。
ワラビもキノコも、土に生えるものはダメ、川底にあるものはダメ、一切食べられない。
浪江には鮭の簗場があり、請戸川の河口から200300mの所が大きな簗場だが、いつも川が真っ黒になるほど鮭が遡上した。
先々週行って何匹か遡上しているのを確認したが、毎年9月末から12月くらいまで遡上する。
それを捕ってどれくらい汚染されているか調査するが、その立会いに妻の父親が行くことになっているが、まず、すべて終わりだろうと思う。

●住宅支援を打ち切るな
なぜ田舎暮らしをするかといえば、給料が安くても半自給生活ができるのが田舎だからだ。
畑で野菜を作り、山で山菜やキノコを採り、魚を自分で捕ってくれば、お金を出さなくても生活していける。
半自給自足暮らしだから、田舎で生活できた。
それを奪われてしまったら生きる糧がない。
今から帰って生活しろと言われても、水は飲めずペットボトルで買わなければならない、食物も買わなければならない、生えているものはすべて食べられないで、お金がかかるだけ。
そこに帰って生活しろと言われても、できない。
来年3月で自主避難者の住宅支援の打ち切りが問題になっている。
平成30年3月には、自主避難でなく警戒区域内の避難者の住宅支援も打ち切ると言っている。
警戒区域外自主避難者たちは、ほとんどが母子避難だ。
夫は仕事があるので残り、母子だけで避難している。
彼らは月10万円の精神的苦痛慰謝料も貰っていない。
ただ住居を無償で提供されるから、なんとか生きていけるのに、それを奪おうとしている。
そうした始末の悪いことをしているのが、福島県の内堀知事なのだ。
山形県、新潟県の県知事は災害救助法を延長して住宅を供与しろと言い、各市町村会議も打ち切り撤回を採択した。
神奈川県でも京都の方でもそうしているが、福島県はやらない。
福島県は甲状腺ガン検査縮小をするなという採択はしたが、住宅支援打ち切りするなの採択はしていない。
自分で自分の首を絞めているようなものだ。
自分たちで声をあげて支援の継続を望めばいいのに、内堀知事はそれをしない。
昨年6月に内堀知事と竹下亘、小泉進次郎が赤坂のホテル9階の会議室で密談したが、神奈川に避難している人と2人でそこを“襲い”、エレベーター内で持って行った要望書を渡した。
「これを読んでください。避難者の声です。住宅支援打ち切りはやめてください」と言って手渡した。
そうして住宅交渉問題に関わることになったので、今はその活動も続けている。
県庁への申し入れを、これまでに既に三回やってきたが、避難者たちはその度に京都・東京などから新幹線を乗り継いで福島に来るが、新幹線代などその費用も大変だ。
でもそれでも訴えないとどうしようもない状況だ。
山形県は無償で50戸を2年間提供すると言ってくれ、隣の県なのに被災者に寄り添っている。
福島県は被災当事者なのに加害者と組んで、加害者に寄り添って県民いじめをしている。
12月に県議会の定例会があるので、その時に全国からの請願書と採択した決議文を持って、県と交渉することになっている。
問題はたくさんあるが喫緊の問題は住宅問題だが、その間にも被ばくは続いている。

●ロボットは放射能に弱い
最近また空間線量が高くなっているという話もあるが、風の影響でもずいぶん変わる。
要はそれだけ危ないということで近くにいれば吸引による内部被曝の可能性も大きいということだ。
原発でいま何が起きているかというと、汚染水だけではなく排気筒の問題が大きい。
最近ようやくこの問題もクローズアップされてきたが、1、2号機のスタックと呼ばれる排気筒が問題だ。
火力でいえば煙突だが、原発の排気筒は煙は出ないが発電所内の空気を外に放出するものだ。
その支柱が錆びて腐食している。
地震や竜巻が来たら、ポキッと折れて倒れるのではないかと心配される。
支柱が倒れたら排気筒自体が倒れる。
排気筒が倒れたら何10、何100シーベルトになるかも判らない大量の放射性物質が放出されてしまう。
ドライベントして2号機の排気筒の中に原子炉の空気を出したから、その汚染は半端ではない。
それが倒れたら、風下は相当の被ばくをする。
風向きによっては原発事故そのものよりも酷い状況になる可能性があるのに、人が近づけないので直すに直せない。
東電は遠隔装置を使って半分ほどに切ると言っているようだが、技術としてできるわけがない。
鉄を切るには、グラインダーで切る、バンドソーで切る、ガスで切る、プラズマで切るという方法があるが、その装置を誰が付けに行くのか、どうやってセットするのか。
アーマースーツのようなロボットがあって、その中に入って物をつかんだりできるなら可能かもしれないが、ロボットも近づけない状況なのだ。
2号機の調査のために線量を測るドローンを2機飛ばしたが、排気筒の中に落ちてしまった。
とても人が行けない高線量のところなのでロボットを使おうとするが、ロボットはコンピューターを積んでいるが、マイコンは1、0、1、0でプログラムされている。ところが1、0、1、0、は放射線で飛ばされて全部0、または全部1になってしまう。
だからいままで投入したロボットが全部動かなくなったというのは軍事用のクインスでさえ動かなくなり、太刀打ちできない状況だ。
クインスは核戦争が起きた後に調べに行くロボットだが、入り口まで行ったら動かなくなってそれを回収もできない。
撮影するために投入したロボットが行くのに、瓦礫をどかすアームのついたロボットもあるのだが、それもひっくり返って動かない。
ロボットは放射線に弱いのだ。
画像で見ると霧のようにノイズが入っているが、あれが放射線だ。
放射線はロボットの頭脳部分を、人間の内臓を損傷し壊す。

●なぜガンになるのか
なぜガンになるのかというと細胞のDNAに損傷を起こすからで、普通は単純な損傷は修復されやすいが、複雑な損傷は修復時に間違いを起こしやすく、それがDNAに変異をきたし細胞が分裂するときに異常な細胞の増殖がガンを引き起こす。
細胞内で遺伝子情報を持つDNAは螺旋状に連なって、そこにはGCTAと4種の塩基がATと、GCと結びついて突起となっている。
細胞内を放射線が通過するときにこの塩基の繋がりの一鎖切断の場合は切断された塩基はまた繋がるべき相手の塩基と結びついて修復されやすいが、二鎖切断になると、繋がるべき相手の塩基を誤ってしまい、それがDNAに変異を起こすのだ。
これを崎山比早子さんが分かりやすく説明しているが、放射線とガンの仕組みは解明されているのに御用学者たちは、判らないと言い、因果関係はないとかチェルノブイリとは違うなどと言う。

●原発を廃炉にしない理由
原発を廃炉にしたらその瞬間に、それまで資産だったものが放射性廃棄物に変わってしまう。燃料棒は使用済みでも、そうでなくても、全てが廃棄物になってしまう。
設備として資産担保があれば銀行は資金を回すが、廃棄物になってしまうとお金は回らなくなる。
使用済み核燃料は兵器になるから経済界は軍需産業で潤うし、政府もそれを望む。
核被害国の日本は核の威力を手放したくないから、原発を廃炉にしないし持続する。
東電は国が護り、経済界が護っているから潰されない。
政府・経産省・経団連・東電幹部、彼らはみんな好き放題にやっている。
原発事故後白血病やガンで死んだ人は多く、友人夫婦もガンで死んだ。残されたのは中学生の一人娘だ。
自殺も多いし、仮設住宅での孤独死も多い。
たかが電気のために死んだ彼らは、みんな核災害の関連死だ。

原発は、人々に悲しみだけを残し、残ったプルトニウムで人殺しの武器を作り、その武器がまた悲しみを生んでいく。

*トークの会「福島の声を聞こう!vol.21」の報告は、これで終わります。
長文を最後までお読みくださって、ありがとうございました。
次回の「福島の声を聞こう!」は、来年2月24日(金)です。
二本松の若い女性農業者さんに話していただきます。

先のことですがご予定に入れていただけたら嬉しいです。               いちえ

(注)と写真は当ブログが付け加えました。

いちえ通信はオフィスエムさんのホームページからご覧になれます。


2016年11月7日月曜日

東電は区域外避難者の住宅費用を一切払っていない。国は復興に何兆円も使い避難者への住宅費用80億が出せない筈がない。11月2日東電前抗議

第38回東電本店合同抗議に参加 
201611月2日(水)18:30~19:45 
呼びかけ団体:たんぽぽ舎、テントひろば  賛同団体:東電株主訴訟他126団体



新潟県知事となった米山候補の支援者が「原発に反対する声は地方から広がっている」と力強くスピーチ。寒さをものともしない意気軒高な高齢者が多く刺激を受けます。
映像配信は立花健夫様から、有難うございます!
https://youtu.be/QaeFKFkJRlY  
https://youtu.be/8Hahejo01H8
https://youtu.be/pHY2ppzcey0  
https://youtu.be/TmfnF_AwOrI
https://youtu.be/JKtNQtMir20

和太鼓のパフォーマンスや「日音協」の音楽での抗議もあり、バラエティに富んだアクションですが、当日はそれに加え「反原発自治体議員・市民連盟」が「東電への申し入れ」を行いました。東電の原子力センター森田氏が受け取り、「質問が多い」との理由で返答は先送りされました。
http://ameblo.jp/nomorenukes8/entry-12216765488.html

当日のスピーカーの抗議の声
・廃炉費用は10兆円なのか20兆円なのか、上限が見えないので、実際は予算が組める筈もない。政府の算定は机上の空論。
・都心部で大停電を起こした新座市の東電ケーブル火災は、2007年中越沖地震による柏崎刈羽3号機の火災事故と同根。高圧ケーブルは送電で熱を出すので、油が冷却と絶縁のために入っている。この油が火を噴いた。燃えやすい&燃えにくいケーブルが混在する柏崎刈羽を再稼働させてはならない!

福島原発被害東京訴訟 原告団長鴨下さんのスピーチ
「私たちは避難住宅問題で苦しめられている。家、生活空間すべてが汚染された。被ばくを避けるための避難を何故止めさせられるのか。避難住宅は“支援”では無い。災害救助法の運用による“救助”だ。本来なら賠償されるべき住宅供与が“支援”という言葉でごまかされている。
東電は区域外避難者の住宅費用を一切払っていない。国は凍土壁や除染、復興予算に何兆円と使っている。住宅の無償提供費用80億が出せない筈がない。避難者を消し去りたい意図がある。
政府は来年4月以降、帰還か移住かを迫っているが、避難を継続する選択肢が提示されていない。
私たちは避難を続けます。私たちを支えて下さい。避難住宅問題を多くの人に広めて下さい。私たちが追い出されないようにして下さい!」
鴨下さんから福島原発被害東京訴訟の傍聴への呼びかけがありました。
【福島原発被害東京訴訟第20回期日のご案内】
日時:11月9日(水)午前10時~午後4時30分
場所:東京地方裁判所103号法廷
※傍聴券は配布しないので誰でも定員まで先着順に入廷できます。出入りも自由です。


脱被ばく実現ネットのスピーチ&告知です。
◆スピーチ◆
「10月22日新宿デモに呼応する形で、世界社会フォーラムで繋がりを持った方々が海外でアクションを行った。
10月13日カナダのオタワでは、現地の「絆ジャポン」「モントリオール9条の会」が尽力し、市民約350人が日本大使館前で「戻るな福島、守れ住む場所」とフランス語でコールし抗議行動を行った。

新宿デモと同日の10月22日、パリでは連帯のデモと日本大使館前でのアピールが行われた。約80人と参加者は少なかったが「世界が食べられなくなる日」の監督、緑の党の方々、元環境大臣も参加。参加者は「フクシマ:汚染地帯への帰還反対」と書かれたプラカードを持ち、東京オリンピックへの抗議のプラカードも手作りして日本大使館に抗議した。
国内そして海外から東京電力を追い詰め、原発事故被害者の生存権を守る行動を継続して起こして行きましょう」

◆告知◆
崎山比早子氏講演会 「低線量被ばくによる健康被害」
日時:11月19日(土曜日) 13時30分開場、14時~16時30分
場所:福島大学  L1教室
入場:無料
共催:福島大学放射線副読本研究会、脱被ばく実現ネット



鴨下さんの「支援では無い」が心に刺さります。賠償を棚上げする国、東電の姿勢に新たな怒りが湧いてきます。福島第一の電気を使用していた私たち「支える」側になれるよう行動していきたいものです。

 伊藤記(写真も)

2016年11月4日金曜日

10.22新宿デモにおけるカンパ金の寄付

10.22新宿デモにおきまして、ご参加頂いた皆様から66,088円のカンパ金を頂きました。
  ありがとうございました。

このカンパ金に当会からの補填金を加え総額を8万円とし、10月26日に以下の4団体に2万円づつを寄付を致しました。

・子ども脱被ばく裁判の会
・避難の協同センター
・「避難の権利」を求める全国避難者の会
・まつもと子ども留学

更に、子ども脱被ばく裁判の会と避難の協同センターには各々、子ども脱被ばく裁判の支援金、賛同金を別途寄付させて頂きました。

 これ等に対して、
「避難の権利」を求める全国避難者の会の長谷川克己様
避難の協同センタ-の瀬戸大作様
まつもと子ども留学の植木宏 様
子ども脱被ばく裁判の会の水戸喜世子 様と片岡輝美 様

以上の方々からお礼のメールを頂きました。
報告が遅くなりましたが、皆様のご協力に感謝いたします。



2016年11月2日水曜日

放射能は体温を0.0024度しか上げないエネルギーで死をもたらす 落合栄一郎講演会に参加して

★この報告について、誤字等の改訂を加えました。(11月4日) 
 個人の感想ですので内容詳細についての確認は動画及び落合先生の著作を参照願います。→http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2016/10/blog-post_31.html


     落合栄一郎氏の講演会に参加して
                             宮口高枝

 20161030日、脱被ばく実現ネットとたんぽぽ舎との共催で落合栄一郎氏の講演会『放射能は人類を滅ぼす』が開催された。




1部、「放射線の健康への影響」
落合さんはカナダに移住24年。(バンクバー・ブリテイッシュコロンビア大学)移住前の1979年・スリーマイル島の原発事故があり、その影響は100km地点にまで及んだ。それ以後、アメリカとソ連をはじめとする核実験が行われ、移住後の1986年にチェルノブイリ原発事故が起こり、20113月には福島原発事故が起った。2012年に、前日まで元気でゴルフをしていた町田在住の弟さんが心筋梗塞で倒れ急死されたとのこと。落合さんは専門家ではないと前置きの上、発言しておられる。福島原発事故後に放射線について学習した。

<放射能は人類と相容れない> これらを科学的な面から研究してきたことを基に、科学的に知って自信をもって行動する大切さを話された。
私たちの身体はで構成される、その中の有機化合物は体の必須物質。身体の中の有機化合物で放射線を出す主なものはカリウムk40がある。これは自然放射能で身体に取り込んでも排出される性質がある。自分はこの有機化合物以外の元素化合物を主に研究してきた。元素化合物は身体の中で挙動し変化する。酸素を扱う様々なたんぱく質酵素の放射線の脅威をテーマに研究して来た。
キューリー夫人が発見したポロニウム・ラジウムの放射性物質の人体への影響を考えたい。放射線は、高速に動く微小な素粒子レベルの粒子、中性子、陽子、へリュウム核、α線、電子のβ線、γ線、電磁波などがある。α線などの波長が短いほど、エネルギーが高い性質があり、これが人体への内部被ばくの脅威となっている。
人体のK40は通常60ベクレル/kgの内部被ばくを身体に与えている有機化合物で身体の全体に分布する必須物質。生物の元素は殆ど安定しているが、K(カリウム)は不安定で命を考える時、生物化合物の挙動を学習する事が大切だ。
地球に存在する天然の放射能はウランまで。天然放射能と人口放射能がある。
人体への影響では、放射線障害の様々な原因、バックグランド、放射能の影響について5mSv以上の放射線は命に危険とするイギリスの研究は良く知られている。
子どもの白血病の発症率が高くなるバックグランドにも放射能の影響がある事も指摘されている。
1969年には米国のロッキーフラット原爆製造工場の臨界寸前まで行った火災やカナダや日本の人形峠のウラン鉱山やの労働者に鉱石の微粉末による肺への内部被ばくは大きな問題となり、現場は危険すぎて立ち入り禁止となったままだ。
1951年にはアメリカのネバタ州の核実験が始まり、作業員、兵士、風下の住民に被ばく影響出た。その後に生まれた子どもたちには、大学受験時で英語の点数低下が見られ、乳がんが多発した。その地区の原発立地地図を重ねると附合する事実がある。5km圏内に住む子どもたちのがん発症率も2倍になったと報告がある。
イギリス、カナダ、日本、アメリカの原発近辺の子どもに白血病の発生が増加している。
チェルノブイリ原発事故後ベラルーシでは小児甲状腺がんなどが増加。日本の福島原発爆発事故後の小児甲状腺がんの多発も間違いない事実だが、国や福島県はその事実を表面化させないために健康調査の縮小方針を示している。放射線の影響でないとすれば、なぜこれほど増えているのか全国で子どもたちの甲状腺癌の検査をするべきだろう。
現在、福島では放射能の影響と思われる様々な事が起こっている。
例えば妊産婦の調査では、子どもの入院や病気の頻度が多くなったと答える人が増加。福島、岩手、宮城県では周産期死亡率(妊娠22週から生後10日まで)は事故後10ヶ月で急に15.6%(3年間で165人)と増加。千葉、東京、埼玉の地域では6.8%(153人)の増加で推移し、その他の地域では増加は見られていないことから原発事故の影響と考えられる。全国で、甲状腺癌、心筋梗塞、白血病も増加している。他の生物、蝶の異常(琉球大・大古査氏)鳥などの個体数では66%の減少(メラー・ムソー教授)や異常、奇形もでており、植物もそれに続く。
チェルノブイリ事故と比べたら福島原発からの放射性物質の放出量は1桁低いから違うのではないかと指摘するひともいるが、小児甲状腺がんの発症率は、等価線量100mSv以下で51%、10mSv以下でも16%
小児甲状腺がんの潜伏期間は最低1年であることは周知の事実である。
福島県の38万人の子どもの調査で1年半後に1巡目で100人以上の小児甲状腺がんが見つかり、2巡目もおこなわれ、2016年までに38万人中、174人の小児甲状腺がんが見つかった。76%がリンパ腺に転移し、肺転移は5%.(133人が手術)通常の3040倍も多いが、県も検査機関も放射線の影響を否定する。チェルノブイリと比べて福島は早すぎる、チェルノブイリでは5歳以下の子に多発したが福島では1巡目の検査では5歳以下の子どもに甲状腺癌はいない(2巡目で1名出ている)と指摘されるが、明石昇二郎氏の、心筋梗塞での死亡の増加、小児甲状腺がん多発は放射線量率との関係がありとの調査結果がある。
小児甲状腺がんは大人の甲状腺癌の経過(良性癌が多い)とは違う。甲状腺がん発症数の男女比はチェルノブイリ事故や福島原発事故の前は、14.3の割合で女性の方が甲状腺癌になる率が多く見られたが、チェルノブイリでは11.62、福島では11.4~2で男性比率の上昇がみられ、放射線の影響は十分にでていると考えられる。
福島原発からは今も放射線が出続けているのを忘れてはいけない。

2部 「どうして放射線は生命に影響を及ぼすのか」
これを証明するのは難しい作業だ。しかし影響は充分に出ている。
放射線は生命と相容れない事を実感して欲しい。
放射線は核反応に基づき、地球上の現象は(生物を含めて)化学反応に基づく―
事を放射線の基礎から理論的に話したいと話した。
地球上のあらゆる現象は、化合物、化学反応に依拠し、安定な原子からできている。
(原子)核反応・核力の強い力と化学反応の違いについて基礎的な説明があった。
核反応→原子の核の周りを電子が回っている。中心の核はとっても小さい。その中に多くの中性子と陽子が詰まっていて強い力で支配される。その強い力が核の力、核の廻りを電子が回り、β崩壊、核分裂が起こる。エネルギーはべらぼーに大きく、化学反応と比べたら数百倍の違いがある(放射能の生命の基本)
化学反応の核は動かないが電子は+-で反発し合い動き、物質は化学統合でくっついている。(電磁気力)
不安定核は核反応して、α崩壊、β崩壊する過程で陽子と中性子を出し放射線が放出。
生命現象:数千~数万種の化合物の化学反応に基づく。
化合物の99.99%は放射線のない安定した化合物で出来ている。
地球上のあらゆる現象は化合物、化学反応に依拠しており、地球はそういう風に出来ているので、生物が生きていられる素晴らしい星。
私たちは化学反応の中で生きている!

典型的な化学反応のエネルギー
電磁波→炭素と水素の化学結合を切るときのエネルギー
    水素と塩素の化学結合を切るときのエネルギー
    水素から電子を取出すエネルギー
 これらのエネルギーは1100eV(エレクトンボルト)

しかし、放射線のエネルギーはとてつもなく大きい!
  トリチウムのβ線崩壊時のエネルギー 18.6KeV(キロエレクトンボルト)
  セシウムの崩壊時のエネルギー         1.18MeV
  ストロンチウム           546KeV0.5メガ)
  プルトニウム            5.245MeV
               (1eV1.60218×1019乗J   k1000 M1000000

核反応は、化学反応で反応できない世界だからチョウキケン!

可視光線が見えるわけ。
可視光線(光子)が生物の分子に作用すると分子の中の電子を動かすが、蹴りだすわけではない。励起された状態の分子はその影響を他の分子に及ぼす。そうした化学反応によって神経系の細胞に情報が行き光り(色彩)が認識される。
μ波もγ腺も、エネルギー値が化学反応のそれとかけ離れているので化学反応では、対応できない。
可視光線(赤~紫)のネネルギー1.83.1eV化学反応の世界に入る。可視光線(光子)が生物の分子に作用すると分子の中の電子を動かす(励起する)が、蹴りだすわけではない。
励起された状態の分子はその影響を他の分子に及ぼす。そうした反応系によって、神経系の細胞に情報が行き光り(色彩)が認識される。
μ波もγ腺もエネルギー値が化学反応とかけ離れているので、化学反応では対応できないし、生物はそれを感知できない。

被ばくとは何? 
放射性粒子の生体内分子作用=いわゆる電離作用(放射性粒子が電子を蹴りだす)
蹴りだされた電子は個立し対がなくなるとフリーラジカルになる。
個立したフリーラジカルは他の原子を取り込む作用がある(フリーラジカル→けりだしたり、結合したりする。・悪さする)
* 見えず、臭いもなく、触れない、感じられない。

地球上の生命は放射能を防御できない!
生命は科学反応に(電磁気力)基づく。これら2種の力には100万倍の差が有る。
化学系はこうした放射線の破壊力に対抗手段をもてない。

生命は放射能を防御できないがある程度修復できる。
DNAの修復: 様々な機構がある。放射能損傷が既存の損傷と同じ場合は修復可
  しかし、放射線損傷は既存と違うものもあり、修復できない場合もある。
放射線により生じるフリーラジカルを打ち消す作用を持つ化合物はあり、その存在を高めると効果は期待できる。打ち消す作用をする化合物の主なもの:ピロガロール・アスコルビン酸(ビタミンC)グルタチオンなど。
その他の細胞修復機構(オートファージなど)免疫機構などが放射線によってガン化した細胞を取り除くなど。
体からの免疫:ペクチン、プルルシアンブルー、DPTAなど

フリーラジカルのOH以外のものは体内に処理する酵素があり、生体が処理できる。
 (鼻血論争の時にこの理論が使われた、放射能のせいではないとの世論形成に利用された) 活性酸素:スーパーオキシドール、過酸化水素

生命と放射線は相容れない!
 化学反応の世界のエネルギーは  1100eV
 放射線のエネルギーは        4.3MeV100万倍)

放射線の即死レベルの線量の影響
 10Sv10Gy・グレイ=10J・ジュール/kg
   人間の1日のCalSvを比べてみると
2000kcal=約14Sv  10Svは約11万とエネルギーはとても少ない
即死レベルの10Svでも体温を0.0024度しか上げない
エネルギーは少ないのに10Svの放射線で即死する疑問
 10J1MeV放射性粒子に依るとすると、6.25×10の13乗個
 人体1kg1012乗個の細胞がある。
 放射性粒子が均等に、分布したと仮定。各細胞は60個の放射性粒子を受ける。
少なく見積もって、1000個(実際は数倍)の分子を壊すと、各細胞では6万個の分子が壊される。細胞膜や重要成分が壊され、細胞死→死

放射線による体組織破壊の例
例1 広島の被爆直後に医師として観察(肥田医師)
  火傷のあとも無い人が40度以上の熱を出していた。そうした人達は、目から、口から、血を流していた。何が起こっているか口の中をのぞこうとしたが、体内の臓器が腐った臭いで、彼らは約数時間後にみな死亡した。

2 1999930日、東海村にある核燃料加工会社(JCO)の臨界事故で大量の放射線を中性子で17Sv(推定)を浴びた社員の死に至るまでの83日間の観察報告(週刊現代20001.15)この患者を看取った医師の話。
  DNA2重螺旋がズタズタに切断されていた。白血球がゼロになった。尿が出なくなった。心臓の停止、多機能不全という事でなくなった。
多くの分子の(DNAを含む。)細胞臓器が破壊されたという事。

10mSvで、DNAが壊される確率は、100mSvのおよそ110 ガンの発症も110仮説
 (LNT仮説・しきい値なし)
チェルノブイリ事故後、生体への影響をバンダジェフスキー博士・セシュウムによって切断されたゴメル地方の患者の組織顕微鏡写真。腎臓の例、肝臓の例など

放射線の人体への影響・因果関係
 以上の例により、放射線の影響は広範囲にわたる事。
特に心臓、腎臓、脳(内出血)甲状腺癌、白血病、他の多くの疾患を引き起こす可能性がある。
人間の間である種の疾患が事故後、通常より多いようだという場合には、放射線との因果関係は疫学的、統計的に検討できるが、個々の人の因果関係は判断できない。
放射線が原因かも知れない、その可能性は統計的に、こうだとは言える。

内部被ばくの危険
放射性物質の被ばくには、外部被ばく(γ線)と内部被爆(α線・β線)がある。
外部被曝は人間の身体を透過し、DNAのラセンを切断する。
内部被曝は呼吸や食物で身体に取り込み臓器や細胞の近くから放射線を出し続ける)
ホールボディ・カウンターは体全体から出る放射能を計側。外に出てきた放射能だけ(γ線)計れる。α線、β線の計測は出来ない。検査時間をかけて計側限界値を低く設定しないと正確ではなく、現在、計側の方法は人数を多く計るので1人に時間を掛けられないので、計測限界値が高い。

落合先生の講義は意義深かった。
脱被ばく、脱原発などを進める方々に科学的な見地から導き出されたお話しを届け、自信を持って行動し、生き抜きたい!!
落合先生が精魂こめた新刊書が出版される。
 『放射線は人類を滅ぼす・脱核(兵器、発電)が人類の唯一の選択肢』