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2013年6月8日土曜日

【速報】キツネにつままれた6月5日の福島県「県民健康管理調査」検討委員会の発表:一体どこの子どもたちの検査結果なのか

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以下は、弁護団の柳原の、6月5日の福島県「県民健康管理調査」検討委員会の発表に対する率直な感想です。

福島県の上記発表に対し、 松崎道幸医師はその緊急見解の中で見過ごすことのできない指摘をしています(16頁)。
--検診時期のちがいが重要です。 

つまり、原発事故後1年後と2、3年後と4年後の検診では、データの意味が全くちがってくる。
例えば、車がスピードを徐々にあげていき、その結果、交通事故を起こしてしまったとき、事故が起きるかどうかは、事故直前のスピードの上昇の仕方に注目すべきです。どんどんスピード(加速度)がアップしていく様子が分かります。

今回、小児甲状腺がんが合計12名になった。それは、単に9名増加と見るのではなく、原発事故後1年11ヶ月後に前回初めて出現した3名の小児甲状腺がんがその後4ヶ月で4倍になった点に注目する必要があります。この異常な上昇ぶりはまともな方法ではとうてい説明がつかないからです。
これに対し、車の最初のノロノロ運転の時間も含めた平均速度を出したところで、事故が発生する危険性は全く見えてこない。

これと同じことを、福島県「県民健康管理調査」検討委員会は行っている。なぜなら、検討委員会は、すぐ直前のデータ、つまり前回の発表から今回の発表までの間の短期間のデータの解析を敢えて公表しようとせず、わざわざ、平成24年度という長い期間の全てのデータの解析だけを公表しているからです。なぜ「敢えて」「わざわざ」と言うかというと、検討委員会は当初、きちんと、すぐ直前のデータ=前回の発表から今回の発表までの間の短期間のデータの解析を公表していたからです。それを途中から公表しなくなった。
それを公表すると、異常な事態が進行していることが、誰の目にも明らかになるからです。これはただの情報隠しでは済まない、確信犯的な重大な犯罪でなくて何だろうか。

以下、検討委員会の今回の発表と、従来の発表のやり方(前回の発表から今回の発表までの間の短期間のデータの解析)を対比します。同様に、前回の発表についても、従来の発表のやり方(前々回の発表から前回の発表までの間の短期間のデータの解析)と対比します。対比の中で、ちがいがどんどん広がってきていることが分かるはずです。

そして、そもそも今回発表したデータは一体、どこの市の子どもの検査結果なのか? 当日の配布資料を見てもさっぱり分からない。なぜ、検討委員会はこれを明らかにしようとしないのか。それは--郡山市の子どもたちの検査結果であり、この重大な検査結果が発生した地で第二次の疎開裁判が起こされることを、彼らは知っているからです。

   ***********************************


1、前回(2月13日の発表) ※右端は検討委員会の発表した割合
年齢区分
A2
受診者数
割合
H24年度平均
610
2,519
26
2,545
4,591
55.4
53.7%
1115
4,460
89
4,549
7,894
57.6
55.2%

(注)上記表の数値の計算方法(以下の通り、前回と前々回の数値の差を出した)
610歳の女子
公表時期
A2
受診者数
今回(2.13
7,004
48
13,035
前回(11.18
4,485
22
8,444
2,519
26
4,591
1115歳の女子
公表時期
A2
受診者数
今回(2.13
9,056
175
16,409
前回(11.18
4,596
86
8,515
4,460
89
7,894



2、今回(6月5日の発表)
年齢区分
A2
受診者数
割合
H24年度平均
610
3,726
40
3,766
6,210
60.6
56.2%
1115
2,074
87
2,161
3,597
60.0
56.9%

年齢区分
A2
割合
H24年度平均
割合
H24年度平均
610
3,726
60
55.7%
40
0.6
0.5%
1115
2,074
57
55.6%
87
2.4
1.3%

(注)上記表の数値の計算方法(以下の通り、今回と前回の数値の差を出した)
610歳の女子
公表時期
A2
受診者数
今回(6.5
10,730
88
19,245
前回(2.13
7,004
48
13,035
3,726
40
6,210
1115歳の女子
公表時期
A2
受診者数
今回(6.5
11,130
262
20,006
前回(2.13
9,056
175
16,409
2,074
87
3,597


)以上の検討委員会の公表の問題点については、本年2月20日、仙台高裁に以下の書面で主張済みです。
抗告人の準備書面(8)(その別紙1~4

この書面の詳細な解説は以下の記事です。
 
【裁判速報】ロスタイムに入った裁判所に、緊急書面の提出(2)「小児甲状腺ガン、事故後5年で郡山市だけで、最悪、ベラルーシと同数~6倍」準備書面(8)提出

(以下、一部、抜粋)

 2月20日、抗告人の準備書面(8)(その別紙1~4)を裁判所に提出しました。

その最大の主張は、
1、原発事故後5~6年目の郡山市
今月2月13日に開催された 福島県の県民健康管理調査の検討委員会(座長・山下俊一福島県立医大副学長)の公表結果に基づき、松崎意見書(5)の評価を、郡山市に即して検討すると、郡山市の小中学生は、原発事故後5~6年目には、小児甲状腺がんの発生が
  最小 11.9名×5.8倍=69名
  最大 11.9名×14.75倍=175.5名

と予測され、これはベラルーシのチェルノブイリ事故後5、6年目の小児甲状腺がん数の29名と59名(→表1参照)と比べ、同数~6倍弱になります。
すなわち、このまま被ばくし続けると、5,6年後には、郡山市一都市だけで、ベラルーシ一国の同数~6倍の小児甲状腺がんが発生する可能性があります。

2、原発事故後2年目の福島県
福島県の予測では、平成23年・24年の検査で750名程度の子どもがB判定とされる。これまでのところ、B判定のうち6.6%程度の子どもに甲状腺がんが発症しているので、2年目で750人×0.066+10人≒60人が甲状腺がんの可能性がある。
ただし、ここには事故直後3月15日に最も大量の放射性ヨウ素が押し寄せたいわき市方面の子どもたちが含まれていません。

小児甲状腺がんの発症は、チェルノブイリ原発事故の翌年、ベラルーシで4名の子どもだった(→表1参照)のに対し、福島県では、(いわき市も含めると)60名を相当数上回る子どもたちに甲状腺がんが発症している可能性があります。 つまり、福島県は、ベラルーシの15倍以上の小児甲状腺がんが発生する可能性があります。

こんな酷い事態を放置して、果して法治国家と言えるのでしょうか。 放置国家、児童虐待国家と改名すべきではないでしょうか。

以下は、その事実を指摘した、抗告人の準備書面(8)(その別紙1~4)の全文です。


              *********************
平成24年(ラ)第12号
抗告人 A1~A12
相手方 郡山市
                  抗告人準備書面 (8)
                                   2013年2月20日
仙台高等裁判所民事2部  御 中
                       抗告人ら代理人弁護士   神 山  美智子
                                        ‥‥(略)
                   目 次
1 甲状腺検査結果                          
2 事故直後の放射性ヨウ素の内部被ばく線量について         
3 結論

1、甲状腺検査結果
 福島県の県民健康管理調査の検討委員会(座長・山下俊一福島県立医大副学長)は、本年2月13日に至り、前回(昨年11月18日)に公表以降の甲状腺等の検査結果を公表した(甲226)。

 但し、今回は、昨年9月11日までは公表していた市町村別の実施状況(甲162)を一切公表せず、そのため、今回、公表された郡山市の子ども達の受診者数も不明である(昨年6月12日公表の資料では、福島市の検査状況について、6月8日現在の途中段階であっても受信者数を公表していたのに比べ、明らかに情報を非公開にしている。別紙1参照)。

む ろん福島県は、既に検査結果済みの郡山市のデータを保有しているが、しかし福島県は、郡山市や福島市をはじめとする各市町村の小中学校のデータを、小中学 校の学校設置者であり、小中学生を放射能から安全な環境で教育する憲法上の義務を負う各市町村に提供していないことが判明したので、抗告人が直ちにこれを 入手することは不可能である。そのため、甲226の配布資料からは郡山市の子ども達の甲状腺検査結果を論ずることができない。
しかし、福島県が公表した甲状腺検査の実施スケジュール(案)(別紙2) によれば、前回(昨年11月18日)の公表分31,182名は福島市の残り、二本松市、本宮市、桑折町、国見町などであり、今回の公表分35,189名は 白河市、西郷村、泉崎村(対象者は合計14,655名)と郡山市(対象者は64,478名))の一部であることが分かるから、公表分の優に半数以上が郡山 市であると推測される。
それによると、
①.  甲状腺検査の一次検査について
今 回公表分35,189名(平成24年度、これまでの受診者総数111,546名-前回の受診者総数76,357名=35,189名)のうち、6~10歳の 女子、11~15歳の女子についてみると、以下の表の通り「のう胞」または「結節」が見つかっており、この割合はこれまでで最高である。
年齢区分
A2
受診者数
割合
610
2,519
26
2,545
4,591
55.4
1115
4,460
89
4,549
7,894
57.6

‥‥(以下、略)

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