告知

2012年11月29日木曜日

【お知らせ】子どもたちを核戦争から守れ! 11.30ふくしま集団疎開裁判文科省前&財務省上抗議行動→IWJ・CH6

7月27日(金)からスタートした文科省前~官邸前抗議行動(そのアピール文)、これまで、毎週金曜日、実施してきました(過去の行動の動画は末尾に掲載)。
今週金曜日(11.30)も、文科省前と財務省上で、次の通り実施します。

【重要なお知らせ】
福島からの声
 今回、福島から現地の声を伝えるのは次の方です。
 大河原多津子さん(田村市・人形劇赤いトマト主宰。農産物を産直販売)

11.26仙台高裁第2回裁判の報告&解説
・弁護団 光前幸一・柳原敏夫

11.26国連人権理事会から派遣された特別報告者の会見報告&解説
 ・弁護団 柳原敏夫

さらに明らかにされた「ふくしまのウソ」
 ・演劇班 新作の寸劇
 ①.なぜ疎開なのか(放射能をいっぱい吸い込んだ切干大根編)
 ②.佐藤雄平県知事と山下俊一福島県立医大副学長
 ③.疎開が未来を切り拓く

財務省上の開始時間と終了時間
開始は8時頃。
終了時刻は今回は9時です。

財務省上の場所の変更
財務省建物側(これまでの場所から財務省建物に向かって信号を渡ります)でやります。→地図

文科省前の終了時間
7時すぎには終わる予定です。間に合わない方は、7時半からの財務省上にお越しください。

日程・場所
 11月30日(金)午後5時~7時すぎ 文科省前 地図(青文字で表示)
         午後8時~9時 財務省上 地図(赤文字のコーナー)

ネット中継:18時~ USTREAM配信  IWJ・CH6 (※IWJの中継チャンネルは、毎週木曜日の夜、ここで分かります)

抗議内容
  ・かんしょ踊り:かつて文明化推進の明治中央政府から「野暮で後進的」という理由で撲滅・禁止され、生き延びたたと言われる福島県会津の踊りを、今、原発推進の平成中央政府から抑圧・迫害されている福島県の子どもたちの集団避難を求める市民が「抵抗の踊り」として踊ります。

 ・紙芝居(寸劇) :マスコミが伝えない福島の現実を、1枚の紙と語りで伝える。

国内遠方・海外からの参加
  国内遠方の皆さん、海外の皆さんからも、この抗議行動に参加ください。このブログの以下のコメント欄で、またはメール(→sokai*song- deborah.com【*を@に差し替えて送信ください】)で抗議の声を表明して下さい(ブログで紹介させていただきます)。

主催 ふくしま集団疎開裁判の会
 連絡先
ふくしま集団疎開裁判の会代表/井上利男  
電話 024-954-7478
メール sokai*song-deborah.com
    (メールは*を@に差し替えて送信ください) 

過去の抗議行動の動画
 7.27(->動画
 8.3 (->動画) 
 8.10(->動画
 8.17(->動画
 8.24(->動画 紙芝居 井戸謙一さんのスピーチ
 8.31(->動画
 9.7 (->動画
 9.14(->動画 文科省前 財務省上
 9.21 (->動画 文科省前 財務省上
 9.28(->動画 文科省前 財務省上
 10.5 (->動画 文科省前 財務省上
 10.12 (->動画 文科省前前半 文科省全部 財務省上
 10.19(->動画 文科省前 財務省上
 10.26 (->動画 文科省前前半 文科省全部 財務省上

2012年11月27日火曜日

【世界が注目】11.26福島の子どもたちの人権侵害に対し国連人権理事会が見解を表明

原発事故後、放射能影響下にある、子どもをはじめとする周辺住民の「健康に対する権利」の実態調査を行うために、国連人権理事会から「健康に対する権利に関する特別報告者」として日本に派遣されたアナンド・グローバー氏が、今月15日から本日26日まで福島の人権侵害問題について調査しました。
本日26日、帰国するにあたって、日本記者クラブで会見を開きました。
以下がその会見の映像です。

3.11以後、ふくしまの住民とりわけ最大の弱者である子どもたちと原発労働者の命は守られているのか--これについて、世界の人権の立場からどのようなメッセージが発せられるのか、グローバー氏のスピーチに注目ください。

国連特別報告者アナンド・グローバー氏の会見
 

日本記者クラブのサイトの会見動画(質疑応答もあり)
 質疑応答部分は->ここから

グローバー氏の声明文(日本語 英語
会見での質疑応答(文字起ししたもの)

また、以下は、本日、仙台高等裁判所に提出した抗告人準備書面(4)の関連のくだりです(一部、修正)。

5、福島の子どもの人権侵害に対する国連の対応

 抗告人らの弁護団は、本年10月31日、ジュネーブで開かれた日本政府を審査対象とする国連人権理事会の普遍的定期的審査(UPR)に合わせて、国連に福島の惨状を訴えに行った(甲195)。当日の普遍的定期的審査の作業部会では、日本政府に対し、福島原発事故から福島の住民の健康の権利を擁護するよう求める以下の勧告が表明され、報告書に盛り込まれた(甲196)。
《放射能の危険から福島の人々の命と健康に関する権利を守るために、必要なあらゆる措置を取ること、
 来日する健康の権利に関する特別報告者が、日本において、被ばくした市民、避難した市民、市民運動のグループたちと面談する機会を保障すること》(甲197)
国連で、初めて、原発事故について福島の住民の健康の権利に言及されたものであり、画期的な出来事だった。
 これと平行して、原発事故後の放射能影響下にある、子どもをはじめとする周辺住民の「健康に対する権利」の実態調査を行うために、国連人権理事会から「健康に対する権利に関する特別報告者」のアナンド・グローバー (Anand Grover) 氏が日本に派遣され、今月15日から26日まで福島の人権侵害問題について調査し、その結果を日本政府に勧告する(甲198)。この特別報告者が抗告人らの親と弁護団と会い、調査をしたのは言うまでもない。今、世界は「人権の最後の砦」としての本裁判の行方に注目している。

2012年11月26日月曜日

【裁判報告】2012年11月26日に仙台高裁に提出した証拠の一覧

2012年11月26日に、以下の証拠を仙台高裁に提出しました。
とくに、3.11前の山下俊一氏も認める、甲状腺がんに関する重要な知見(甲202~203。小児の甲状腺の結節は大人に比べ、悪性である可能性が高い)を提出しました。


証 拠 説 明 書 (16
2012年11月26日
書証(甲199~204)
標     目
(原本・写しの別)
作 成
年月日
作成者
立 証 趣 旨
199

2012.11.25
A2・A3の母
どのような犠牲を払って自主避難を敢行したのか、その具体的な理由・事情について
200


2012.11.22
長谷川克己
昨年8月郡山市から家族で自主避難した者として、どのような犠牲を払って自主避難を敢行したのか、その具体的な理由・事情について
201
2012.9.17
朝日新聞ネット版
福島市に在住者(20歳以上の市内在住者5千人の55%から有効回答を得た)のうち34%が「今でも避難したい」と答えた。
202
小児の甲状腺腫瘍」(「病理と臨床」2005年Vol.23)



2005
武山淳二
小児の甲状腺で結節状の病変がみた場合、成人の場合と比較して悪性である場合が多いため注意を要する。つまり、甲状腺の結節状病変が悪性である可能性は、成人の場合は数%であるのに対し、小児の場合2030%程度であると報告されていること。
203
論文『小児甲状腺結節における悪性リスクの評価』(日本内分泌学会雑誌725):969969 1996)の要旨
1996
山下俊一ほか
チェルノブイリ周辺地区5都市3ヵ国の小児約15万人を検診し、超音波検査で5㎜以上の結節を有する125名のうち24名(19.2%)が悪性の乳頭癌であったこと
204
署名に関する報告書(7)
2012.11.26
抗告人代理人 柳原敏夫
甲164の続き。
以 上

2012年11月22日木曜日

【裁判報告】2012年11月22日に仙台高裁に提出した証拠の一覧

2012年11月22日に、以下の証拠を仙台高裁に提出しました。
いずれも、現時点での、被ばくの危険な実態と深刻な健康被害とこれに対する世界からの注視を明らかにする重要な証拠です。


証 拠 説 明 書 (15
2012年11月22日
書証(甲190~198)
標     目
(原本・写しの別)
作 成
年月日
作成者
立 証 趣 旨
190



2012.11.22
内科医
松崎道幸
1.        甲状腺のう胞の頻度が放射線被ばくで増加する
2.         福島の子どもたちの甲状腺のう胞の頻度は日本の成人より明らかに多い
3.         これ以上の放射線被ばくを防ぐために、福島の子どもたちの一刻も早い避難・移住・疎開対策が必要である
191




同上
同上
1.日本の原発労働者では10ミリシーベルトの被ばくでもがんのリスクが3%有意に増加していた
2. 10ミリシーベルト前後の放射線被ばくによりがんのリスクが有意に増加することを証明した多数の研究結果は福島中通からの移住・避難が必要であることを強く示唆している
192
の1~2
切り干し大根の放射性物質による二次汚染とその原因」(平成24年度農業分野における放射性物質試験研究課題成果説明会配布資料より)



2012.10.29
福島県農業総合センター
福島県中通りの6カ所から取れたダイコンで切り干し大根を作る過程で実験した結果、ダイコンを乾燥機で元の重量の20分の1程度に乾かしても検出限界値以下だったが、同センター内の軒下などで乾燥させたものについて、最大で1キロ当たり3421ベクレルの放射性セシウムが検出された。
同センターは、空気中のちりやほこりが付着したことが濃度を高めた原因と結論付けた。
193
福島県内ニュース「セシウム濃度を検証 県農業総合センター」



2012.10.30
0955分配信
KFB福島放送

 
上記甲192の報告を報じたニュース。
農作物を乾燥させた加工食品の一部から高濃度の放射性セシウムが検出されている問題で、ちりやほこりが舞いやすい条件下で乾燥させると濃度が高まることが分かった。
福島県中通りでは、今なお、高濃度の危険のある放射性物質が、ちり・ほこりとして空気中に存在することが明らかとなった。
194
記事「東日本大震災:切り干し大根、汚染防げる 機械乾燥はセシウム未検出 県、ちりが原因と断定 地面で干さないよう指導へ」
2012.11.07
毎日新聞 地方版
同上
空気中のチリの中に高濃度の放射性物質が存在することが社会的な関心を呼んでいる事実
195
記事「福島の子の人権守れ 『集団疎開』訴訟 きょうジュネーブで講演」


2012.10.30
東京新聞 朝刊
1031日、ジュネーブで開かれた日本を審査対象とする国連人権理事会の普遍的定期的審査(UPR)に合わせて、弁護団らが国連に福島の惨状を訴えに行ったことを取り上げた記事
196



2012.11.3
朝日新聞 朝刊
日本の人権政策について、各国が質問や勧告する国連人権理事会UPRの日本審査の作業部会で採択された報告書に、初めて、福島原発事故からが福島の住民の健康の権利を擁護するよう求める勧告が盛り込まれたこと。
197
の1~2



2012.11.2
国連連人権理事会
国連人権理事会UPRの日本審査の作業部会で、
「放射能の危険から福島の人々の命と健康に関する権利を守るために、必要なあらゆる措置を取ること、
来日する健康の権利に関する特別報告者が、日本において、被ばくした市民、避難した市民、市民運動のグループたちと面談する機会を保障すること」
が報告書に盛り込まれたこと。
まもなく正式な報告書が作成され、公開される。
198



2012.10.25
特定非営利活動法人 ヒューマンライツ・ナウ
国連人権理事会から派遣された「健康に対する権利に関する特別報告者」のアナンド・グローバー (Anand Grover) 氏が今年1115日から26日まで来日、原発事故後の放射能影響下にある、子どもをはじめとする周辺住民の「健康に対する権利」の実態調査を行い、福島の人権侵害問題について日本政府に勧告する。

参考:上記書証のURL
号証
URL
192
http://www4.pref.fukushima.jp/nougyou-centre/kenkyuseika/h24_radiologic/121029_siryou.pdf
http://www4.pref.fukushima.jp/nougyou-centre/kenkyuseika/kenkyu_seika_radiologic.html
194
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20121107ddlk07040071000c.html
196
http://www.asahi.com/international/update/1103/TKY201211030340.html
197
http://www.upr-info.org/IMG/pdf/a_hrc_wg.6_14_l.12_japan.pdf
198
http://hrn.or.jp/activity/20121025_HRN_PressRelease.pdf
http://hrn.or.jp/activity/project/cat11/shinsai-pj/fukushima/11/

                                                     以 上


【仙台アクション】 崎山比早子さん、生井兵治さんも参加  ふくしまの子どもを守れ!11.26仙台アクション~集会・デモ・講演会~(詳細)

崎山比早子さん、生井兵治さんも参加。
          ――疎開裁判がふくしまの子どもを守る――
  裁判は大詰め、裁判所に私たちの思いを伝えましょう!

バス・ツアー参加者募集中 詳細は->こちら
当日のチラシは->こちら
ネット中継→ USTREAM配信 IWJ MIYAGI Ch2

12:00    肴町公園集合   仙台市青葉区大町1-4-14
12:5014:10  デモ(出発~到着)  
   肴町公園→番町商店街(北上)→定禅寺通(西進)→市民会館前
   →西公園通(南下)→五橋通(東進)→仙台高裁前→晩翠通
   →肴町公園
クリックで拡大

14:30  「仙台高等裁判所」第二回審尋・開始
15:0017:00  市民交流会(第一部)
 (会場)
  仙台弁護士会館 
    仙台市青葉区一番町2-9-1  Tel.022-223-1001(代)
 (内容)
  15:0016:00  東京グループによるアピール(スピーチ&寸劇)
           (スピーチ:生井兵治・田島直樹・他、 寸劇:演劇班)  
  16:0017:00  弁護団による審尋内容などの報告
18:0021:00     市民交流会(第二部)
 (会場)
  日本キリスト教団東北教区センター エマオ3F大会議室
   仙台市青葉区錦町1-13-6     Tel. 022-222-0990
  (内容) 
  テーマ:「集団疎開へのこれまでとこれから」
  18:10~18:30 話題提供(1)
      井戸弁護士「集団疎開裁判の成果と課題」
    18:30~19:00 話題提供(2)
   武藤類子さん「福島の現状と国・東電への責任追求」
   そのほか、短期保養プログラムなど
   先行して行われている取り組みについての報告など
  19:00~  公開円卓会議 「集団疎開へのこれまでとこれから」
   話題提供ののち、集団疎開を実現するために必要なことを
   参加者と共に考えます。

2012年11月20日火曜日

【世界の声】日本からの訪問者、ジュネーブの人権理事会で放射線障害を証言(「WHOの独立のために」サイト記事日本語訳)

【リンク】

For the independence of WHO
<The World Health Organisation (WHO) is failing in its duty to protect those populations who are victims of radioactive contamination.>


WHOの独立のために (上記サイト日本語版)
「世界保健機構(WHO)は、放射能汚染の犠牲者を守るという使命を果たしていません」


 スイス・ジュネーブの市民グループ“For the independence of WHO”(「WHOの独立のために」)サイトに福島県双葉町の井戸川克隆町長と「ふくしま集団疎開裁判」の柳原敏夫弁護士のジュネーブ訪問を伝える記事が掲載されました――
Japanese testify on radiation hazards at Human Rights Council in Geneva
7 - NOVEMBER – 2012

 これを日本語訳して、以下に紹介します――
日本からの訪問者、ジュネーブの人権理事会で放射線障害を証言
2012117
WHOの前に立つ井戸川克隆・双葉町長

ジュネーブのような反核都市、それは、福島第1原子力発電所から3キロメートルの小さな日本の町、双葉の町長に、なんという夢であろうか、と思わせるはずである。双葉町は20113月の地震と津波のために壊滅的な被害をこうむった。住民は放射能のために、いつの日か帰還できるとしても、戻れるのはこれから何十年も先のことになるだろう。井戸川克隆町長は10月末、国連人権理事会で証言するために、「ふくしま集団疎開裁判」の柳原敏夫主任弁護士とともにジュネーブを訪問した。1030日、井戸川町長はジュネーブのレミ・パガニ市長に接見し、ジュネーブ市長はジュネーブ市の同情と支持を表明した。
ジュネーブ市長、レミ・パガニ氏は「あなたは、汚染地域に住まなければならなかったり、あるいは帰還すらしなければならなかったりする人びとの健康問題を無視する日本政府の方針に対して抗議なさっていますが、あなたに同調する首長はほかにもいるのですか?」と問いかけた。「いいえ、わたしただ一人です」と井戸川町長は答えた。「これはどういうことか説明していただけますか?」とジュネーブ市長はたずねた。「ほかの首長らは、危険性を最小限に見せかける当局のウソを信じています。当局は現実の放射能測定値を教えていません。それに当局は、国際専門機関が勧告する最大被曝限度を20倍に引き上げました。わたしたちには年間20ミリシーベルト、世界のほかの人びとには1ミリシーベルトというわけです。わたしたちはモルモットです」。井戸川氏は、チェルノブイリ事故のあと、ソ連当局はもっと汚染の少ない地域から人びとを避難させたと指摘した。「わたしたちは、避難対象でない地域の病気の子どもたちの率が現在80パーセントであると地域の小児科医が推計していることを知っています」。町長は、子どもたちを国土の安全な地域に避難させるよう日本政府に圧力をかけるための取り組みに対する支持を求めている。
国連ジュネーブ本部における証言
ジュネーブ市役所で暖かい接待を受けたあと、日本からの代表団は国連ジュネーブ本部で開催された告発会合でスピーチをおこなった。この会合は、人権理事会の普遍的定期審査(UPR)ワーキンググループによって1031日におこなわれる日本における人権状況に対する審理に先立つものである。井戸川町長は、不作為、および当局が提供する放射能に関する情報の歪曲のために、住民の人権が侵害されていると発言した。核事故の直後、町長および300人の住民は、町長みずからの決断によって避難するまでに極めて高いレベルの放射線に被曝した。「わたしは、死の灰におおわれるという個人的体験をもつ当代日本唯一の首長であります」と町長はいった。井戸川町長は、福島県全域にわたる放射能汚染状況に関するデータ表や地図類を網羅した詳細な情報、すなわち当局が住民に提供するのを拒んだ情報を提供した。柳原敏夫弁護士は自分の番になると、「ふくしま集団疎開裁判」について発言した。申立人たちは、この14人の子どもたちのための集団訴訟を通して、当局が数十万人の子どもたちには汚染地域から避難する法的な権利があることを認めることを余儀なくされるようになることを願っている。子どもたちが汚染食品を食べたり、放射能を含んだ空気を呼吸したりすることを強制されているという事実、これは子どもたちの権利の侵害なのだ。マスメディアは報道管制下に置かれたり、政府提供の虚偽情報を流したりしており、これは表現と情報の自由の権利の侵害になっている。
町長と弁護士は人権理事会に対して、日本政府が住民、とりわけ子どもたちの健康を優先することとする勧告をおこなうように要請した。柳原氏は、政府が補償経費支出を回避し、核産業に介入せず、放射線被曝受忍限度を引き上げ、すでに明白になっている疾病を隠蔽し、内部被曝の影響を考慮することを組織的に拒否し、統計学的な比較対象群データを作成しない…などなどのことは、チェルノブイリに学んだ教訓を活用しているからだと皮肉った。
井戸川克隆町長は、当局が設置した新しい計測装置の写真を示した。これらの機械は、国際標準に設定された機械に比べて40パーセントも低い放射線値を表示する。若い日本人学生であり「子どもたちを放射線から守る世界ネットワーク」代表、本田貴文さんは、子どもたちの手紙を代読したが、そのうちの福島の少女からの手紙には、自分が子どもをもてるのか、子どもたちが正常に生まれてくるのか、という心配や問いかけがつづられていた。
最近、日本を訪れた(スイスの)バーゼル大学名誉教授にして「WHOの独立のために」メンバーであるミシェル・フェルネックス博士は、放射能の摂取または被曝によって発現する出生時欠損、すなわち遺伝子が攻撃され、異常が発生することについて語った。これらの異常は、後世代にまで引き継がれていく。福島の周辺で、流産と周産期死亡率の増加、新生児の低体重、小児甲状腺異常、突然死がすでに見られる。癌は遅れて発症する、とフェルネックス博士はいった。子どもたちと妊婦を避難させることが、そしてすべての住民にとって健全な食品が入手可能になることが不可欠である。
日本人たちは、「ヒポクラテスの見張番」、つまり5年以上も前から平日に欠かさずWHOのジュネーブ本部に向かい合って立ち、世界のあらゆる人びとに可能なかぎり高いレベルの健康を保証する職権を果たせと要求する「WHOの独立のために」グループの活動家たちを訪問した。WHOは、放射線の健康に対する影響を扱う部門をもたないのである。この機関は責任を放棄し、核ロビーの方針を是認していて、それ自体が核保有諸国に支えられている。(写真参照)
WHO独立のために」グループ
ヒポクラテスの見張番」を訪問する井戸川克隆・双葉町長
健康に関する特別報告官、日本訪問へ
日本からの訪問者たち、告発会合を開催した言論・表現の自由を守る会 JRFS)などのNGO、双葉町長のジュネーブ訪問を支援したACSIR市民と科学者の内部被曝問題研究会)、日本弁護士連合会といった他の団体の取り組みは、すでに実を結びはじめている。日本に対するUPR(普遍的定期審査)のさい、「福島地域に居住する住民の健康と生命に対する権利を保護すること、およびそれに関連して健康に対する権利に関する特別報告官の訪問を保証すること」という勧告が採択された。その結果、特別報告官、アナンド・グローヴァー氏が1115日から26日にかけて日本を訪問すると発表した。ACSIRは、当該地域における放射能汚染に関して格別に憂慮を表明する書簡を特別報告官に発送したばかりである。去る5月、ACSIRの会員たちが「WHOの独立のために」グループが開催したフォーラムに参加したことが思い起こされることだろう。
今回の訪問は、かくも多くの生命に対する核の脅威に終止符を打つための相互連帯、そしてとても多くの団体の関与を象徴するものであり、これにわたしたちの会合主催者たちと「ヒポクラテスの見張番」参加者たちはとても深く感動した。
WHOの独立のために」
オディル & ジョージ・ゴードン=ルノックス
Odile and George Gordon-Lennox, IndependentWHO
翻訳:「ふくしま集団疎開裁判」の会、井上利男

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